◎発端
もともと樹が大好きでした。花より団子(男子)ではありませんが、樹に強く惹かれるのが下地だったかもしれません。カナダのサトウカエデの原生林から、先住民族たちが樹液を料理やシロップ、煮つめたお砂糖にしていたのを、ヨーロッパからの開拓民たちが受け継ぎ、今も毎年雪解けの季節だけに採取され、作られるメープルシロップ、そしてメープルシュガー。
物語が背後にある食べ物って、素敵だと思いませんか?
特にメープルシュガーは、ついつい高価なのでちびちび使って冷蔵庫の中で忘れられたり、カビさせてしまったりするシロップと違って、普通のお砂糖みたいに扱える、とてもとてもスグレモノなので、すっかり惚れ込んでいました。
◎思いつき
メープルシュガーは大好きだけど、ちょっぴり高価なので、こだわりのお店やネットショップで販売されているものの、なかなかいろんな人のお口に入るチャンスが少ない…。
そのやさしくて、ほっとする甘さ、サトウキビから作られるお砂糖とは違って、べったりした重さのない甘さを広く知ってもらう方法はないかしら…?
ふと、思いついたのが、あめでした。
(さすが、大阪のオバチャンと、我ながら内心、拍手でした。2008年のたしか秋頃)
あめは、ひとときのなごみです。あめをなめながら、ケンカなんてできない。あめって、ゆるゆるモード、平和モードの食べ物だなぁ。これなら、お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、メープルシュガーを味わってもらえる!しかも、ほっこりしながら。
◎あめ屋さん探し
そこから、あめについてネットでいろいろ検索しました。全国にさまざまなあめがあることも知りました。が、不思議なことに、ケーキやおまんじゅう、チョコレートなどについていろんなうんちく話がいっぱいのっているのに、あめって意外に少ないのです。
身近なのに、あまり重きをおかれていないあめ…
これは絶対に、あめの名誉にかけても、メープルシュガーのあめを作らなくては。
北海道から九州まで、あめを作っているメーカーさんを探したと思います。
そんな中で、「ここ!」と勝手に決めたのが、東京は葛飾区にある二葉製菓さんでした。
◎押しかけメール
どこの誰ともわからない個人がお願いして、あめを作ってもらえる?
そもそもあめを作るって、いくらくらいかかるもの?????
疑問符をいっぱい抱えながら、メープルシュガーのあめは、きっと世の中が待っているはず、といういささか強引な確信を抱き、「ここ!」と勝手に決めた東京葛飾区の二葉製菓さんへ、まずは打診のメールを送ることに。
2009年3月に「こんなあめを作りたい。可能でしょうか?」というメールを送信。
さっそく二葉社長さんから、試作の金額等のお返事が返ってきました。○万円単位だったので、これならいけるかも…。
◎押しかけ面会
でも、メールのやりとりだけじゃ、本気さが伝わりにくいかも…。
3月下旬にラッキーにも東京取材がきまった。それも午後から。よし、朝イチの新幹線で出かければ、ごあいさつだけでもできそう。あいにく二葉社長さんは外出の予定があるとのことだったので、社員の方にごあいさつがてら伺ってみることに。
東京駅→日暮里→京成電鉄のりかえ→お花茶屋(なんて風流な名前!)。お天気のいい日だったので、駅を降りて住宅地をぷらぷら歩いているうちに、「あれ?」。曲がる道を間違えたかも!
買い物帰りのような女性の2人連れに二葉製菓さんのすぐそばにあるスーパーの名前を出して道を聞き、教わったとおりに曲がると、二葉さんがあった。中へ入ろうとすると、先ほどの女性が息を切らしてやってきた。
?
「そこじゃないですよ、スーパーはもう少し先ですよ」と。
後から目で追ってくださっていたのだ。すっかり恐縮してお礼を言った。こんな小さなエピソードもあって、お花茶屋駅も葛飾区白鳥も二葉製菓さんも好感度、大!
応対してくださった二葉さんの女性の方もきちんとされていて、工場も落ち着いた街にしっくりとけ込んでいる感じ。小学校などから見学にもよく来られるそうです。
◎試作、試作、試作
実は、このあめは、当初は香川のかめびしという、こちらも真面目に手間のかかるお醤油を作るメーカーさんなのですが、そのオリジナルのフレーク状にしたお醤油の「ソイソルト」(メープルシロップとメープルシュガーの関係によく似ていますよね)と一緒に、地球をイメージした丸いあめ-「森と海と大地」の象徴-を思い描いていたのです。
(このソイソルト入りは、ぜひ実現させたい!でも、きっとプレミアムプライスになりそうだけど)
試行錯誤を重ね、二葉さんに何度もご協力いただいて、ライトな感じの三角形のあめになりました。
二葉製菓さんには、本当に感謝しています。その後、社長さんには2度お会いできました。いつも本当に誠実に対応してくださって、頭が下がります。
◎思いが一致した!
メープルのあめの試作品をみんなに配って感想をたずねると、とてもいい反応!
でも、このあめをどうやって買いたい人の手に届けることができる??
いろんな方に話を聞き、相談にのってもらったり、試算してもらうと、もしもコンビニで売られているような袋詰めにすると、一袋が400円、500円の金額に!
そんな流れより、やっぱり心から気に入ってくれた方に届けたり売ってもらいたいし、もしできれば、このやさしいメープル味のあめで何かハッピーなことが始まってほしい。
そんな中で思いついたのが、病気と闘う子どもたちのことです。
ずっと昔、ある病院の先生のインタビューに行ったとき、エレベーターに、長期入院している子どもたちの院内学級(というのでしょうか?)やイベントの手作りの温もりのあるポスターが貼ってあり、病気と闘っている子どもたちとお母さん(お父さんや家族もです)の生活がここにあり、手作りのポスターが「私たちはここで毎日を送っているよ」というメッセージを見たようで、頭をガーンと打たれたような衝撃を受けたことがありました。私は初めて気付いたのです。同じ子育て中の頃だったから、余計に衝撃が大きかったのかもしれません。
そんなメープルあめの話や長期入院している子どもたちの話をしたときに、時期や場所は違っても、大きく響いてくださったのが「本に願いを」メンバーの尾関さんと岩村さんでした。お二人の人生やテーマとされてきたこと、子どもたちに寄せる思いに重なるところがあったのです。
◎「本に願いを」
メープルあめが気持ちを運び、本となって子どもたちを空想の翼にのせて、いろんな世界へ連れて行ってくれる!
メープルのあめ、本、病院の子どもたち。バラバラにあったテーマが3人が出会うことでぼやけていたピントが合うように重なり、私たちにできることがくっきりと見えるようになりました。おもに読み聞かせや病院担当の尾関さん、絵本選び担当や童話作家としてこれからの活動を広げる岩村さん、メープルあめ担当の私、田中。もちろん、それぞれがいろんな分野で重なり合い、またいろんな人とつながりながら広がっていければいいなと思っています。
◎たくさんの方に、ありがとう!!
<森のメープルあめ>のパッケージは、ただの箱ではありません。何でもないところに、「あら!」という楽しい仕掛けがあり、あったかさが伝わってきます。そのデザインや資材、仕上げの超アナログ作業には、ランデザインの皆さんやイラストの森さん、その向こうにはまだお会いしていない方々がお力を貸してくださいました。
今回、メープルのあめの販売元になってくださったメープルシュガーを輸入している商社、メープルファームズジャパンの皆さまにも、そしてもちろん二葉製菓の二葉社長さんにも感謝です!
二葉さんにかけて言えば、まだちょこんと芽を出したばかりで、小さな二葉を広げつつある「本に願いを」プロジェクトですが、応援をよろしくお願いいたします。
たなか むつこ 2010年01月24日(日)16:07|Comment (4)
じゅり母さん、いろいろありがとうございます。
そうなんです。いろんな気持ちが集まって、お届けしたカタチができました。
今回の寄付金がまとまったら、絵本になって、きっとあったかい気持ちを届けてくれると思います。
これからも応援してくださいね!!!
こんには。ノーブルの井上です。早速、ブログ拝見させて頂きました。近々『森のメープルあめ』注文させていただきますので、よろしくお願いします。
井上さん
ありがとうございました。
しばらく仕事でバタバタしていて、今朝、コメントをいただいていたのに気付きました。
お仕事の合間のひとときに、あめでホッとしていただけるとうれしいです。
いつもおしゃれで、フレンドリーなノーブルの皆さん。
音楽を聴きながら、奥のシャンプー台に横たわって、天窓からの柔らかな光を眺めるのが、やすらぎの時間です。
宅配便で届いたこの1箱に、
この200粒のあめに、
すべての細部までに、膨大な時間と
数えきれないほどの様々な人の想いが
こめられていたんですね…。
だから、口に入れたとき、
体全体が、ふわっと解き放たれるような
安らいだ気持ちになるような気がします。
今朝、ご近所の仲良しママにも、
お裾分けしましたよ〜。