7月24日「本に願いを」のメンバーで、京都・山科にある工房「ナヴェットの会」を訪問しました。「ナヴェットの会」とは、織物や編み物を愛好する方々が集まり、糸や布という素材で製品を企画・販売に向けて研究・制作されている工房です。「本に願いを」プロジェクトとナヴェットの会の方々との作品で、何かコラボレーションができないかということでお話を伺いに行くことになりました。
ナヴェットの会については、京都・西陣の老舗織物工場が閉鎖され、そこで使われていた絹糸や道具を、織布愛好家のあるご婦人が引き取ったこと。それを友人である別のご婦人(同じく織布愛好家)が所有している京都・山科にある旧女子寮(現在は閉鎖)の建物内に保管することにしたこと。それならば…と愛好家仲間を募り、さらなる織布の研鑽の場にしようと、その旧女子寮に工房兼研究会を立ち上げたこと…と、何だか興味深いストーリーを事前に伺っていました。
一方、私たち「本に願いを」プロジェクトメンバーは、商品「森のメープルあめ」を従来の箱入り以外に、何か別の製品と組み合わせて売ることができないかと模索中。製品といっても、できれば職人さんの手技と心が込められたような製品とのコラボレーションという形が、私たちの活動や「森のメープルあめ」の特性と合うのではと考えていたのです。
猛暑の中、着いたところは山科駅から車で10分ほどの静かな住宅地の一角。深い緑の木々に囲まれたレトロな3階建ての建物でした。にこやかに迎えて下さったメンバーの方々に案内されておじゃました建物の中は、懐かしい昭和の雰囲気にあふれていました。ここで学生さんたちはどんな青春時代を過ごしていたんだろうと想像をめぐらせてみたり…。
その日は会議室で双方のメンバー同士、コラボレーションの可能性について大まかに話し合いました。話し合いの後、閉鎖された工場から引き取ったという糸や織機などを見せていただきましたが、その量と質に驚き!日本を代表する織物の産地、京都・西陣のものということで、その質の高さはもちろん、色数や種類の多さは半端ではありません。絹糸はメンバーの方がきちんと色系統別に整理され、その他、当時の職人さんによる帯の試し織布、和紙に描かれた図案の数々も整理され、タンスや棚の中に収まっていました。帯の試し織布の中には、今のインテリアなどにも使えそうなモダンで素敵なものもいっぱい。眠る宝の山に私たちも思わずため息…。狭いタンスの中に閉じ込められた絹糸や布たちは、時代の流れに逆らうことのできない自らの運命を語っているように見えました。
伝統的な美と手作業の技術を、どうだ!と見せられたような気がした半日。ナヴェットの会のみなさんとのコラボレーションが実現するかどうかは分かりませんが、時代に取り残された絹糸たちに新しい命を吹き込まれる日に、この「本に願いを」プロジェクトがかかわっていられたらなぁと願った午後でした。
岩村 彩 2010年07月26日(月)09:42|Comment (0)